人には、向き不向きというものがある。例えば、 勉強は出来るが、運動は出来ないという者。対して、運動は完璧にこなすが勉強には滅法弱いという者。様々だ。 (それでも、不向きという言葉に甘んじて努力もしない奴は駄目だが。)




「手塚、」
「あぁ、不二か」
「相変わらず表情が堅いよ。少しは笑ってみたら?」
「……。」




不二は俺の所に来ては笑えと言う。(そこまで強制じみた言い方では無いが。) 最初に言ったが、人には向き不向きというものがあると思っている。そして、表情豊かに自分の感情を表に出すことについては、俺には向いているとは言い難いと…自分でも思う。 周囲の者も少なからずそう思っているだろう。 目の前の男はいつもニコニコと笑っているが、何がそんなに面白いのだろう…? というより、面白くも可笑しくもないのに笑うほうが難しいんではないだろうか、




「そんな事ないよ、」



不二はクスリ、と小さく笑えば俺の言葉を否定した。そして視線の先には…の姿。 とは半年前から付き合っている。生徒会の仕事を一生懸命にこなしている彼女に惹かれた。(時にその性格のせいで他人の仕事まで任されてしまっていたが…) はいつもニコニコしていて、また不二とは違う雰囲気というか…の周りには人を惹き付けるオーラが漂っている、とでも言うべきか。 とにかく、俺もそこに惹かれたと言っても過言ではないだろう。




がどうかしたか?」
「手塚はいつもさんと一緒にいるんだから笑顔の秘訣でも教えてもらったら?」
「笑顔の秘訣……、」






からかっているのか、不二…

























*





























放課後――…、

部活は生憎の雨で中止になったが、数日後に行われる集会で使われるという資料をまとめるために、生徒会室に残っている。正面には、同じく集会の資料を手に持っているの姿がある。 俺はふと手を止めて、休むことなく仕事を進めているを見る。…笑顔の秘訣、か。不二があんなことを言うから変に考えてしまう。




「国光…?」




作業をしている手が止まっている俺を不思議そうに見つめる。静かな生徒会室にのよく通る声で俺の名前が響く。その表情には微かな笑みが見受けられる。




「どうしたの、ボーッとして。」
「いや……、」




思わず言葉を濁せば手元の資料に目を向ける。も作業に戻ったのかカサカサと紙が擦れる音がこの空間に響く。 軽く息を吐いて気持ちを落ち着かせれば彼女の名前を呼ぶ。



「なぁに?」





の目が再び俺を捉える。





「笑顔の秘訣、とは…何だ?」
「……へ?」




俺の言葉に呆気に取られたような表情を見せたはしばらくすると、クスクスと笑いだした。 「仕事終わり!」そう言って椅子から立ち上がれば大きく伸びをして俺を目に映す




「そんなこと考えてたの?」
「…不二に言われてな、」
「なるほど。ね、国光…何で私がいつも笑っていられると思う?」




からの突然の問い。 笑っていられる理由…?それならやはり楽しさ、嬉しさ、喜びからくるのだろうか。 いつも笑っている彼女は毎日、本当に楽しそうに過ごしている。理由は、それなのか?




「うーん…ちょっと違うかな。」
「違う、のか?」
「うん。私はね、幸せだから笑えるの。国光がいるから、笑えるんだよ?」




笑うっていうのは、私なりの愛情表現なんだよ







そう言っては、笑った。











(それなら俺は君の笑顔を守り続けるから。)




――――080525




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初めて部長の甘いお話。((笑
中途半端・・・・・・、