「あー。今日、岳人の誕生日やな。」

誰に言うでもなく、忍足がつぶやいた。

「やっば。プレゼント買うの忘れた。」

そしてまた。
誰に言うでもなく、がつぶやいた。

「あーあ。岳人、からのプレゼント楽しみにしとったのに。」

今度はに向かって言った。
は雑誌を読みながらめんどくさそうに答えた。

「ついうっかり。しかもさ、岳人から始まり侑士で終わる誕生日フィーバーは何なの!?プレゼント用意するこっちの身にもなってよ。」

そう言いながら読んでいた雑誌を机に叩きつけた。

「まぁまぁ。それはしゃーないやろ。」

は、はぁ。
と、ため息をついて先ほど机に叩きつけた雑誌をパラパラと広げた。
そして、あるページで手を止めた。
そのページを見て、ニヤッと笑って忍足を見た。
忍足は怪しみながらも、に見惚れていた。何を隠そうは、テニス部のアイドルマネージャーなのである。

「良いこと思いついた。」
「何するん?」
「まぁ、もうちょっと待って。」

そして10分後…。
宍戸と鳳が喋りながら部室に入ってきた。
それを見たは待ってましたとばかりに2人に駆け寄った。

「あ。こんにちは、先輩。」
「忍足も居たのか。」
「俺はオマケかい。」

宍戸の発言にプチショックを受ける忍足。
それを横目で見たは、
ちょっと黙ってて。
と言わんばかりに忍足を睨んだ。
そして、もう一度2人に向き直った。

「そうそう!あのn「何騒いでんだ、アーン?」

やっと話し出したをさえぎるように跡部が入ってきた。
は一瞬、イラッとしたがすぐに表情を戻して話し出した。

「あのね、プロポーズの言葉って大事でしょ?」
「「「「は?」」」」

いきなりのの発言に驚く4人。
ほら、ここ。
と言って、さっき読んでいた雑誌を4人に突きつけた。

「そこで、ある企画を提案します!」
「企画?何だよ。」

についていけていないのか、宍戸がキレ気味で聞いた。

「題して!《プロポーズ大作戦!?(仮)〜乙女心を掴むのは誰だ!?〜》」
「いや、題名長ェよ。」
「(仮)ってなんやねん。」

の発言に、容赦なくツッコミを入れる跡部と忍足。
それでも、これはにアピールするチャンスと思ったのか彼女の企画は採用された。

プロポーズ大作戦!?

〜跡部景吾の場合〜

「こんなモン、俺様にとっては朝飯前だな。」

そう言って、髪をかきあげる跡部。
は、
跡部専用のヒョウ柄のソファーにドカッと座って、
部長、頼みますよー。
と、のんきな事を言っている。

「じゃっ、ヨーイ…アクション!」

が言うと同時に、跡部はに向かって歩いていく。
そして、の脇に跪いて耳元で言った。

「俺様の美技に酔いな。」

……。
しばしの沈黙。

「や、いつもと言ってる事が同じじゃん。て言うか酔わないから。むしろ悪酔い。」
「(ガーン)」

自信満々に構えていた跡部にの駄目出しが突き刺さる。
重い雰囲気の中、ガチャッとドアが開いた。

「悪ィー、遅れた。」

それは、冒頭で忍足とが噂をしていた向日だった。

「それじゃあ、次は岳人ね。」
「ん?何の話だよ。」

来たばかりで状況が把握出来ていない向日に忍足と鳳が説明を始めた。
説明が終わると、
なるほどなー。
と何かを考えているようだった。

「OK?じゃあ、岳人は誕生日と言う事で誕生日のプロポーズを考えてね!」

どんなセリフを言うか、考えている向日にが新たに条件を加えた。
そして、
よしっ!考えた。
と向日が言うとは一度、例のソファーから立ち上がった。

「ヨーイ…アクション!」

がスタートの合図を出した。
すると、その途端に向日は真剣な顔になった。

「どんなプレゼントより、お前が欲しい。」

……。
そしてまた、しばしの沈黙。
それを破るかのように忍足が口を開いた。

「岳人がそんな事言っても、子供がだだこねてるようにしか見えへんわ。」
「クソクソ侑士!煩せぇよ。」
「………と……き。」

忍足と向日が言い合っている時に、が小さな声でつぶやいた。
それを聞き逃さなかった5人は、
え?
と、に聞き返した。
その言葉を聞くと同時に、は向日に飛び付いた。

「岳人、大好き!私、今めちゃめちゃときめいた。」
「「「「えーー!?」」」」

いきなりの告白に戸惑うメンバー。
向日は驚きながらも、に答え、晴れて2人は恋人に。

「あ。忘れてた。岳人、誕生日おめでとう。」
「おう。」
「へへっ。」
「…って、忘れてたのかよ。」



プロポーズ



大作戦!?(仮)


(そういえば岳人、私よりちっちゃいね。)(うっせ。)




――――070912