「ちゃーん!」
ジロー君は、私の名前を呼びながら走ってきて、それで突然、私を抱きしめた。
「うわ、っちょ………!!!」
く、苦し…!
と言うよりも、それ以前になんで私なんかの所にジロー君が来てるんだろう?
彼はあの氷帝テニス部のレギュラーで、私みたいなパンピーが手に届くような人なんかじゃあなくて…。とにかく、私とはつりあいそうもない人なのに、ジロー君は今私の身体をこれでもかと言うぐらい抱きしめている。…悪いけど正直言って嬉しくない。いや嬉しいんだけど。でもコレはちょっと力強すぎるんじゃないかな痛いなってホントに痛い!腕折れる!!
「ジロー君……ちょ、と」
「ちゃん?」
「…痛いって…」
「あ!ごめんごめん!力みすぎちゃった!」
力みすぎたって…。
それで、ジロー君は私を腕から開放する。ああ痛かった。腕折れちゃうかと思った。
「それはいいとして、なんで私に抱きついたの?」
「ちゃんね、いつもにおいがしてるから、つい」
なるほど。さしずめ私はほしたて布団と言うことですね。
「何だかね、ちゃんの近くにいると、すごく気分が良くなるんだ〜。この間も頭がすっごく痛かったんだけど、ちゃんの近くにいたら治っちゃったんだよ」
「そっか、それは良かったですね」
そろそろ周りの視線がキツくなってきた。特に女子。ジロー君には悪いけど、そろそろ離れさせていただかないと明日は彼女達からリンチ三昧だ。
「ちゃん、どこに行くの?」
「屋上だけど」
「じゃあオレも行く〜今日いい天気だC〜」
(…私にくっついて寝る気なのかなぁ)
屋上に行くと、ジロー君が言っていた通り、憎たらしいくらいに丁度いい気温と丁度いい太陽光に照らされて、一瞬瞼が落ちてきた。
私とジロー君は、ふたりでフェンスにもたれかかって座った(正確に言うと、私が座った後にジロー君が横に来て座った)。
するとすでに、ジロー君は私にくっつこうとして手を伸ばしていた。半分寝ながら。
ちょっと遠ざかろうとしたけど、私もだいぶ眠くなっていて、既に動くのもいやだ。だから、「くっついてもいーけど、力入れすぎないでね…」とだけ言って、完全に私は目を閉じた。ジロー君も「分かったC」と言って、さっきよりも優しく私を抱きしめた。
と思ったら次の瞬間爆睡していた。ってことは、ジロー君が起きるまでここから動けないじゃん。
「まあいいや、私も、寝ちゃお…」
Sky Loving
(ぽかぽか空の下で昼寝)
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UP 2008/08/19
Sky Loving 空嬢花音様へ
(何気に初ジロー夢。本人様のみ持ち帰りOK)