「周助、お願い!教科書見せて〜」

、また忘れたの?」

私は、隣の席で本を読んでいた周助に声をかけた。
そして、読んでいた本を閉じて私の方に向き直った。
周助は、らしいけどね。
って言って笑った。
私と周助は、一年の時から同じクラスで結構仲が良い方だと思う。
最初に、席が隣で意気投合してからはよく喋るようになった。

「まぁ、良いよ。じゃあ机くっつけてよ。教科書置くから。」
「ありがとー。ホント助かったよ!」

こんな会話はいつも通り。
でも、
こんなに近くで過ごしていて、私が周助の事を好きになるのに時間は掛からなかった。
友達とかには、
と不二君、そんなに仲良いんだから付き合っちゃえば良いのに。
そう言われた。私だって出来る事なら告白して付き合いたいって思う時はある。
それでも、今の関係が楽しくて。
これが壊れちゃうなら、もうこのままで良いかなって思ったりする。
これが、俗に言う友達以上恋人未満ってやつかな。
でもきっと、周助は私の事は何とも思ってないんだろうけど。

放課後

授業終了のチャイムが鳴り、私はいつも通り帰ろうとした。
そう。帰ろうとした、けど帰れなかった。

。何帰ろうとしてるの?」
「え?」

そう。
周助に腕を掴まれた。
振り向いたら、目の前に周助の顔があってビックリした。
・・・あ!今日、私日直じゃん!!
すっかり忘れてた・・・・・・。帰るところだった。
と、言うより・・・顔が近くて恥ずかしいんだけど。
あぁ、きっと今私、真っ赤だろうな。
なんて、のんきな事を考えてたら、周助に私の席まで連れ戻された。

「じゃあ、日誌書こうか。」
「は〜い。」

++++

10分後。

「何でこんなに、書く欄多いの!?」

だって、普通のノートサイズで5ページ分位だよ!?
ありえないっつーの!!

「まぁまぁ。落ち着きなよ、。」

そう言って、周助は席を立って窓を閉めに行った。
よーし!!私も頑張ろう。もうちょっとだし、ね。

「ねぇ、周助。」
「ん。何?」
「あ、あのさぁ・・・周助は好きな人っている?」

だぁーーーー!!!何聞いてるんだろう、私。
周助は、いつもと変わらない笑顔で私の質問に答えた。

「う〜ん。秘密。」
「何それ。すっごい気になる〜!!」

とか言ってるけど、ぶっちゃけ聞きたくないな。
だって、ハッキリ聞いちゃったら立ち直れないもん。

++++

しばらくの沈黙の後・・・、やっと日誌が書き終わった。
私は、後ろに居る周助に声を掛けた。
ううん。正確に言えば掛けようとした所をさえぎられた・・・かな。

「周助!日誌、書き終わ・・・・・・って!」

最後まで喋りきれなかった。
何故かと言うと・・・・・・、周助が私の事を抱きしめていたから。
ってか!!何落ち着いてんの!?私。

「しゅ、周助?どうしたの?」
「別に。どうもしないけど?」

いやいやいやいや!!
この状態でどうもしないって何!?

「は、離してくれないと、帰れないんだけど・・・。」
「嫌だよ。」
「何で?もう仕事は終わったよ?逃げないから。」

私がそう言うと、周助はクス、と小さく笑ってこう言った。

「それは・・・、僕がの事が好きだから。」
「え・・・?」

突然の告白。
驚きすぎて・・・・・・嬉しくて・・・

っ!?」
「ごっ・・・め・・・。」

涙がとまらない・・・。
どうしちゃったんだろう。でも、嬉しい。

「ごめんっ!。僕が、いきなり・・・」
「ちがっ!その・・・私も、周助が好き。」

私の想い、ちゃんと貴方に届いたよね?
大好きだよ、周助。
どんな事になっても、絶対貴方からは離れない。
私は、夕陽をバックにただ貴方を強く抱きしめた。



友達以上



恋人未満。


(明日からちゃんと話せるかな。)




――――071112 再録