景吾の部屋。ムダに広いこの部屋で私と景吾、2人きり。私は、数十分前に見つけた何だかよく分からないカードでタワーを作っている。景吾は私のすぐ後ろで洋書を読んでいる。チラッと表紙を見ると、見たことも無いような言葉が並んでいる。少なくとも、英語すらまともに理解していないような私の低能な頭では読むことさえもままならない。そして、カードタワーに視線を戻す。やっと一番上の段まできた。さあ、やっと完成。その思いも景吾の手によって壊されたのだけれど。景吾に後ろから抱き寄せられて、行き場を失った私の足が、後少しで完成だったカードタワーに直撃した。そんな衝撃に耐えられるはずもなく、5段まで出来ていたカードタワーは無残にも崩れ落ちた。
「ちょっと景吾…。っ・・・!」
私が文句を言おうとすると、景吾に口を塞がれて。キスでごまかそうとしないで、って言おうと思ったけど唇から感じる景吾を想うとそんな事どうでも良くなった。あぁ、私は貴方に夢中。カードタワーなんかよりも。
「そんなカードじゃなくて、俺だけを見てろよ。」
そっか。私がカードタワーばっかりやってたから、景吾はやきもちを妬いたんだ。カードに。
「景吾、可愛い。」
「に言われたくねぇよ。」
私達の愛はちょっとやそっとの衝撃じゃあ、崩れない。
後少しで完成です
(永遠に完成することはなくなったけれど。)
――――080104