私の彼は、忙しい。忙しいなんて言葉じゃ言い表せないくらい、忙しい。なんてったって生徒会長様。そんでもって200人の頂点に立つ、男子テニス部部長。そんな人がヒマな訳ない。分かっている、つもりだった。それを知ってて付き合っているんだから。でも、ちょっとだけ寂しいと感じたりする時もある。もっと一緒に居たい。休みの日は2人きりでのんびり過ごしたい、とか。そんな私が貴方を感じられる時間、放課後。貴方が部活をしている時は、私1人教室の窓側の席で。ほおづえなんかつきながら貴方の姿を目で追っている。この距離が、なんとなく切ないんだけれど。

!」

かすかに私を呼ぶ声がした。少しだけ開いている窓を開け放して、ベランダへ飛び出す。ふいに誰かが、必要な時以外はベランダに出ない。と言っていたのを思い出した。でも、きっと今は必要な時。私はベランダから身を乗り出して下を見る。そこにはジャージに身を包んだ景吾がいた。

「どうしたの、景吾。まだ部活中でしょ?」
「帰り、一緒に帰るから待っとけよ!」
「え?あ、うん。」

こうやって来てくれるから、今はそれだけで十分だ。景吾の優しさが身に染みる。私は贅沢者だなぁ、なんて思いながら。今日もほおづえついて貴方の姿を見つめる私。



ほおづえついて

(応援することしかできない自分がもどかしい。)




――――080104