『切原には負けてはならない』














私が物心つく前から言われ続けてきた言葉。私は頷くことしかできずに護身術や銃の使い方など、身体に叩き込まれてきた。こんな裏社会も、14年も生きていれば自然と慣れてくるものだ。なんていったって、私は家の跡継ぎなんだから。家の未来は私にかかっているようなものだから。
それなのに、私は人生最大の過ちをおかした。私は、
































切原の跡継ぎに、恋をした。

































名前は赤也・・・切原赤也。
決してあってはならない禁断の恋。まるでロミオとジュリエット、なんて言ったら「がジュリエットってガラかよ。」って、ケラケラ笑いやがった。どういう意味だ、このやろう。


。」
「何でしょうか、お父様。」


私は小さい頃から親にも、他の家の者にも必要以上の礼儀を弁えてきた。今でもこれだけは慣れやしない。特にこの人は、一緒にいると身体が強張っている。自分でも気づかないうちに。


「明日、切原を討つ。」
「・・・え?」
「この長い戦いにも、そろそろ終止符を打たなければならない。」
「はい、十分に分かっています。・・・私は、何をすれば宜しいのでしょうか。」
「切原の後継者を殺せ。いいな。」
「・・・分かりました。」
「話はそれだけだ。」


そう言ってお父様は部屋を出て行った。
あぁ、どうしよう。赤也を殺す?そんな事が出来るわけない。でも、私がやらなければならない。逆らう事などできやしないのだから、お父様の言いつけは。そして、作戦について詳しく聞いた私は更に絶望した。決行は明日。私は逃げる事はできない。















これは運命。






貴方を裏切る結果になろうとも。












































「赤也っ!」
「おー、。」
「待った?」
「いや、今来たトコ。」


私は作戦を実行した。まずは赤也を切原の領地から出して、一人にしなければならない。そこを・・・銃で。人気の無い道。無防備な彼。やるなら、今。赤也を壁まで追い込んで、銃口を彼に向ける。


「おい・・・お前、まさか。」
「そう、そのまさか。私は貴方を殺すために今日、此処に来た。」
「俺・・・、の事信じてたのになぁ。やっぱ、俺達の世界で簡単に人を信じちゃ、駄目だな。」


赤也は諦めたような笑いを向けた。私は、行動とは裏腹に・・・赤也の事を強く想っている。嫌だ、こんな自分。そして、自分がこんな事をしていると思うと、涙が頬を伝った。あぁ、駄目だ。私は、流れる涙をそのままに、赤也をまっすぐ見つめる事しかできない。


「ごめ、ん・・・赤也。・・・大、好き・・・っ、だったよ・・・!」


私は銃の引き金を引いた。静かな道に耳を塞ぎたくなるような銃声が響く。目の前で赤也が倒れたのを見て、赤也に向いていた銃口を自分の頭にあてる。お父様、すみません。私・・・言いつけ、守れませんでした。私は目を閉じて、
























思 い 切 り 引 き 金 を 引 い た 。
























例えば私がジュリエット


あなたがロミオだったなら


(こんな結末にはならなかったかもしれない。)



――――080318