俺の好きな人は、
先輩の彼女。
俺の好きな人は、
俺の幼馴染。
そんな変な関係。

―――いつもの朝。

「よっ、赤也。珍しく寝坊してねぇんだな!」
「あ、丸井先輩。何スか、それ。俺がいっつも寝坊してるみたいな言い方。」
「実際そうだろぃ?」

プーッとガムを膨らませながら言う、丸井先輩。まぁ、そうッスけどね。ちょっと笑って答えた。丸井先輩は、そんけーしてる先輩。それに、何か気が合うし喋ってるとすげー楽しい。

「ブン太、赤也、おはよ。」
「おう、。」
「おはよーございます先輩。」

俺と丸井先輩の背後から声をかけたのは、先輩。

「赤也ー!で良いって言ってるでしょ。幼馴染なんだし。」
「いや、真田副部長がうるさいんで。」

俺の好きな人は、
先輩の彼女。
俺の好きな人は、
幼馴染。
そんな変な関係。
それでも、今の関係を壊したくなくて、自分の気持ちを閉じ込めてる俺がいる。この気持ちを吐き出せれば、どんなに楽だろう。でも俺は2人の幸せを願うって決めたから、やっぱり、俺は何も言えないんだ。

それから放課後...そういえば、今日は俺の誕生日だったらしい。すっかり忘れてた…。だから朝から周りの女子の様子がおかしかったのか。あーあ。先輩に祝って欲しかったなぁ。って言っても、先輩には丸井先輩がいるんだし? 他の男の誕生日なんて祝ってられねーよな…。 そんな俺を、現実に引き戻した声。

「赤也ー!!」

先輩... 先輩は走ってきたのか、少しだけ息が切れている。
「何スか、先輩。そんなに急いで。」
「何スか?じゃないよ!探したんだから。」

探した? 俺のことを? 何の必要があって?

「今日、赤也の誕生日でしょ?プレゼント!」

はい! と言って、綺麗にラッピングされた箱を差し出した。 俺は、何も言えずに立っている事しか出来なかった。

「何あげて良いか分かんなかったんだけどね。前に私が作ったクッキー、おいしいって言ってくれたから…クッキーにしてみたんだけど。」

嫌だったかな? ちょっと首をかしげながら言う先輩。 俺は、自分の気持ちをごまかすために、出来るだけの笑顔を作って言った。

「ありがとうございますっ、先輩!」

俺の好きな人は、
先輩の彼女。
俺の好きな人は、
幼馴染。
そんな変な関係。
でも、今の笑顔は俺だけのモノだから。 俺だけに向けられているモノだから。 しばらくはこんな関係で良いかな、と 思ってしまうんだ。



変な関係

(俺にとっては2人とも大事な先輩だから。)




――――070925